上記の疑問にお答えします。
電動キックボードで私有地や公園などを走行する場合は、交通ルールや法律はありません。
しかし、公道を走行する場合は、2022年3月4日(金)に 道路交通法の一部改正案が閣議決定され、下記2つタイプで扱いが異なります。
- 最高速度20km/h以下の電動キックボード
- 速度21km/h以上30km/h以下の電動キックボード
それぞれ順番に詳しく解説します。
【電動キックボードの違い】最高速度20km/h以下と21km/h以上30km/h以下
20km/h以下 | 21km/h以上30km/h以下 | |
区分 | 特定小型原動機付自転車 | 原動機付自転車 |
免許 | 不要 | 必要 |
年齢 | 16歳以上 | 16歳以上 |
ナンバープレート | 不要 | 必要 |
ヘルメット | 任意 | 必須 |
走行可能道路 | 車道 普通自転車専用通行帯 自転車道 (一部の歩道) |
車道のみ |
最高速度20km/h以下の電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」扱い
道路交通法の一部改正により、「特定小型原動機付自転車」という新たな車両区分が設定されました。
今までは原付と同じような扱いだった電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」となります。
「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」の条件
最高速度20km/h以下で制御され、長さ190cm×幅60cm内に収まる車体であることと定められています。
最高速度20km/h以下の電動キックボードで公道走行するための条件
法律的な条件やルールは下記5つです。
- 免許不要
- 16歳以上
- ヘルメット着用は努力義務
- 車道、普通自転車専用通行帯、自転車道を走行可能
- 例外的に歩道走行可能
※速度が21km/h以上30km/h以下の場合は、これまで通り「原動機付自転車」扱いです。
免許と年齢制限
自転車と同じような扱いになるため運転免許は不要です。
しかし、16歳以上でないと公道走行してはいけません。(私有地や公園は16歳未満でも運転OK)
身につける装備品などの義務
ヘルメットの着用は努力義務のため、着用しなくても構いません。
走行時のルール
基本的には、車道、普通自転車専用通行帯、自転車道を走行可能です。
また、例外的に自転車通行可能な歩道を走行できるようになります。
補助標識で歩道走行可などとされている区間は、最高速度を6km/hに制御した状態で、走行可能に。
速度21km/h以上30km/h以下の電動キックボードは「原動機付自転車」扱い
今までと同じ原付扱いです。
速度21km/h以上30km/h以下の電動キックボードで公道走行するための条件
速度20km/h以上の電動キックボードで公道を走行するには、下記8つは最低限必要です。
- ①運転免許の取得(普通免許・原付免許)
- ②公道走行可能な電動キックボードの購入
- ③ナンバープレートの取り付け
- ④自賠責保険の加入
- ⑤ヘルメットの着用
- ⑥保安部品の装備
- ⑦防犯対策グッズの購入
- ⑧便利なグッズの購入
順番に見ていきましょう。
ステップ①:運転免許を取得(普通免許・原付免許)しよう
20km/h以上の電動キックボードは原付扱いとなるため、公道走行時は運転免許が必要です。
原付が運転できる免許があれば走行可能なため、普通免許や原付免許があればOKです。
ただし、一部では小型特殊免許でないと運転できないことがあり、原付免許だけでは走行できないケースがあります。
詳しくは下記記事でご紹介しています。
詳細:電動キックボードの運転に必要な免許の種類と取り方まとめ
※私有地や公園などは公道ではないため免許不要です。
ステップ②:公道走行可能な電動キックボードを購入しよう
電動キックボードには、公道走行可能なものと不可能なものがあります。
店舗で購入する際は、店員さんに聞けば公道走行可能な電動キックボードを案内してもらえるため、迷うことはないと思います。
しかし、Amazonや楽天などのネットで購入する際は、商品説明文を注意深く読んで見分ける必要があります。
なお、公道走行可能な電動キックボードは、公道走行できない電動キックボードよりも値段が高いです。
③:原付登録してナンバープレートを取り付けよう
電動キックボードで公道を走行するには、下記2つが必要です。
- 原付登録してナンバープレートを取得する
- ナンバープレートを電動キックボードに取り付ける
お住まいの市区町村の役所で手続きできるので、電動キックボード購入後は必ずやっておきましょう。
役所の混雑状況によりますが、早ければ10分程度で手続きが完了します。
詳しい手続き方法は下記記事をご覧ください。
詳細:電動キックボードの原付登録・ナンバープレート取得方法まとめ
④:自賠責保険に加入しよう
電動キックボードのナンバープレートを取得しても、そのまま公道を走行することはできません。
原付扱いとなるため、必ず自賠責保険の加入が必要です。
もし、自賠責保険に加入せず公道を走行した場合、無保険運行の罰則で1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられてしまいます。
ナンバープレート取得後は、必ず加入手続きを行いましょう。
自賠責保険の加入手続きは、コンビニで365日24時間いつでも好きな時に加入手続きできます。
保険料は保険期間によって異なり、契約する年数が長いほど安くなります。
詳しい手続き方法や保険料は下記記事をご覧ください。
【推奨】任意保険の加入
任意保険に加入しなくても公道を走行できますが、加入を推奨します。
理由は、万が一の時に自賠責保険の補償だけでは足りないからです。
任意保険の加入方法は、すでに自動車保険に加入しているかどうかで変わります。
すでに自動車保険に加入している場合は「ファミリーバイク特約」を活用することができ、割安で電動キックボードの任意保険を追加できます。
自動車保険に加入していない場合は新規で加入します。
任意保険の加入手続き方法や保険料金の目安、補償内容などは下記記事をご覧ください。
詳細:任意保険について詳しく
ステップ⑤:ヘルメットを着用しよう
公道を走行する際は、ヘルメットの着用が義務付けられています。
ヘルメットは原付用のもので十分です。
ステップ⑥:保安部品の装備をしよう
原付扱いとなるため、道路運送車両法の保安基準に適合しなければ、整備不良車両運転の罰則(3月以下の懲役又は5万円以下の罰金)に該当します。
必要な保安部品は下記です。
- ナンバープレート取付版
- ナンバープレート照明灯(番号灯)
- ブレーキ(制動装置)
- ブレーキランプ(制動灯)
- ヘッドランプ(前照灯)
- テールランプ(尾灯)
- リフレクター(後部反射器)
- 方向指示器(ターンシグナルランプ)
- 警音器(ホーン)
- 後写鏡(バックミラー)
- 速度計(スピードメーター)
公道走行可能な電動キックボードとして販売されているものであれば、保安部品は装備されています。
しかし、公道走行不可な電動キックボードとして販売されているものは、足りない保安部品を装備する必要があります。
自分で取り付けたり改造してもできますが、保安基準に適合させないといけないため、電動キックボードの販売店や警察に詳細を確認して行うのが無難です。
ステップ⑦:防犯対策グッズを購入しよう
電動キックボードは、重量が軽く持ち運びしやすいがゆえに盗難しやすいのがデメリット。
きちんと防犯対策をしておかないと愛車が盗まれてしまいます。
下記記事では、電動キックボードのおすすめ防犯対策グッズと選び方をまとめています。
詳細:電動キックボードの鍵・ロックのおすすめグッズと選び方|防犯対策で必須アイテム
ステップ⑧:便利なグッズを購入しよう
電動キックボードのドライブがより快適で便利になるグッズを手に入れれば、より一層楽しい電動キックボードが待っています。
下記記事では、あると便利なグッズをまとめています。
詳細:電動キックボードの便利なアクセサリーグッズおすすめを厳選
電動キックボードの交通ルール
電動キックボードで公道を走行する場合の交通ルールは、原付と同じです。
- 車道のみ走行できる
- 左車線を走行する
- 逆走や歩道走行は違反
- 最高速度30km/h以下
- 片側2車線以上の交差点は2段階右折
- 2人乗り禁止
- 歩道を歩く時は電源を切る
私有地や公園など公道でない場合は、上記は該当しません。
駐車・置き場について
電動キックボードを路上駐車する場合は、駐停車禁止エリアかどうかにご注意ください。
原付と同じ扱いとなるため、駐停車禁止エリアに停めていると駐車違反の切符を切られ、罰金を科せられてしまいます。
また、自宅に停めるにはどうしたら良いかなど詳しい内容は下記記事をご覧ください。
詳細:電動キックボードの駐車場はどこに停めるのが正解かを解説|違反や罰金に注意
公共交通機関への持ち込みについて
電動キックボードは公共交通機関への持ち込みが可能です。
持ち込む際は、本体を折りたたんで収納ケースに入れる必要があります。
ただし、一部では持ち込み不可となっているため、事前に把握しておく必要があります。
詳しくは下記記事をご覧ください。
詳細:電動キックボードが持ち込みできる公共交通機関まとめ|電車・新幹線・高速バス・路線バス・飛行機・タクシーを比較
電動キックボードのマナー
交通ルールを守るのはもちろん、安全に考慮して運転するように心がけましょう。
もし、電動キックボードを走行している人のマナーが悪ければ、公道や私有地関係なく規制が厳しくなることが容易に予想できます。
規制が厳しくなってしまうと、気軽に電動キックボードに乗れなくなるだけではなく、乗っているだけで嫌がらせをされてしまう可能性もあるため、せっかく便利で楽しい電動キックボードが台無しになってしまいます。
周りの人に対して十分に配慮すれば、安全なことが国や行政、世間からも認められ、もっと気軽で身近なものになる可能性もあるため、便利で楽しい未来のために十分すぎるほどのマナーを。
まとめ
電動キックボードの交通ルールや法律は、原付と同じ扱いです。
違反していると罰金や罰則を科せられてしまうのでご注意ください。