一般に「普通免許」と呼ばれる免許の正式名称は、第一種が「普通自動車免許」、第二種が「普通自動車第二種免許」です。
| 区分 | 主な用途 |
|---|---|
| 普通自動車免許(第一種) | 自家用の乗用車や、普通自動車の基準に収まる貨物車などを運転する |
| 普通自動車第二種免許 | タクシー・ハイヤーなどで旅客を運ぶために普通自動車を運転する、運転代行で顧客の普通自動車を運転する |
日常の運転で取得するのは、通常は第一種です。普通第二種だけで大型バスを運転できるわけではなく、旅客運送に使う車両の大きさに対応した第二種免許が必要です。区分の根拠はe-Govの道路交通法と警察庁の第二種免許資料で確認できます。
大型・中型・二輪なども含む全体像は、運転免許の種類・区分一覧で確認できます。普通免許を取る人は、以下の範囲、取得条件、費用と手続きを押さえてください。
※制度・料金は2026年9月14日に確認しました。手数料・受付方法は、住所地の都道府県警察で最新情報を確認してください。
普通免許で乗れる車・乗れない車
現行の普通第一種免許で運転できるのは、普通自動車、小型特殊自動車、一般原動機付自転車です。普通自動車は次の3条件をすべて満たす必要があります。
| 確認項目 | 現行普通免許の上限 |
|---|---|
| 車両総重量 | 3.5t未満 |
| 最大積載量 | 2t未満 |
| 乗車定員 | 10人以下 |
「2tトラック」という呼び名だけでは運転可否を判断できません。最大積載量2tちょうどは「2t未満」に入らず、車両総重量と乗車定員も同時に確認する必要があります。免許証の種類・条件欄と車検証を照合してください。
普通免許だけでは、自動二輪車、大型特殊自動車、普通自動車の基準を超える準中型・中型・大型自動車を運転できません。詳しい区分は大阪府警察の運転免許の区分で確認できます。
普通免許で運転できる原付の範囲
従来基準の一般原付は、内燃機関なら総排気量50cc以下、電動なら定格出力0.60kW以下(特定小型原動機付自転車を除く)です。2025年4月1日から、総排気量50cc超125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された内燃機関の二輪車も「一般原付」に加わりました。普通免許で運転できますが、原付と同じ交通ルールが適用されます。
125cc以下ならすべて運転できる、という変更ではありません。総排気量50cc超125cc以下で最高出力4.0kWを超える内燃機関の二輪車は新基準原付ではなく、小型限定普通二輪免許など車両区分に対応する免許が必要です。
購入・利用前に車両区分を確認してください。条件の詳細は警察庁の二輪車区分見直しと国土交通省の保安基準改正に掲載されています。
取得時期で変わる旧普通免許の範囲
普通免許で運転できる車は、免許を取った時期でも変わります。制度変更前に取得した普通免許は、現在の免許証で「中型8t限定」または「準中型5t限定」として扱われます。
| 普通免許の取得時期 | 現在の扱い・運転できる上限 |
|---|---|
| 2007年6月1日以前 | 中型8t限定:車両総重量8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下 |
| 2007年6月2日〜2017年3月11日 | 準中型5t限定:車両総重量5t未満、最大積載量3t未満、乗車定員10人以下 |
| 2017年3月12日以降 | 現行普通:車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満、乗車定員10人以下 |
8t限定は限定なしの中型免許、5t限定は限定なしの準中型免許と同じではありません。どちらも乗車定員は10人以下です。
実車を運転する前に免許証の条件欄と車検証を確認してください。長野県警察の確認表でも取得時期ごとの範囲を確認できます。
AT限定とMTは何が違う?
AT限定普通免許では、普通自動車のMT車を運転できません。MT車を運転する予定がなければAT限定、仕事や家族の車などでMT車を使う可能性があるならMTを選ぶのが判断の基本です。
2025年4月1日から、普通免許と普通第二種免許のMT技能試験・教習は、基本部分をAT車で行い、クラッチ・変速操作などをMT車で行う方式が基本になりました。経過措置で旧方式を続ける教習所もあるため、MTで申し込む人は教習方式、追加料金、日数、予約状況を入校前に確認してください。制度変更は警察庁のAT免許案内で確認できます。
AT限定を取得した後でも、限定解除審査に合格すればMT車を運転できるようになります。必要な教習、手続き、料金は教習所・都道府県で異なります。
普通免許の取得条件
第一種は試験17歳6か月、交付18歳から
2026年4月1日から、普通免許と普通仮免許の試験は17歳6か月から受けられます。ただし、試験に合格しても普通免許が交付されるのは18歳になってからです。警視庁の年齢変更案内でも受験可能年齢と交付年齢が分けて示されています。
第一種普通免許の代表的な視力基準は、両眼で0.7以上、左右それぞれ0.3以上です。片眼が0.3未満または見えない場合は、他眼0.7以上かつ水平視野150度以上が必要です。警視庁の適性試験合格基準には色彩識別、聴力、運動能力などの基準もあるため、個別の事情がある人は申請先の運転適性相談窓口へ相談してください。
第二種は通常条件と受験資格特例がある
普通第二種の通常条件は、21歳以上で、普通免許などの保有期間が通算3年以上です。受験資格特例教習を修了した人は、19歳以上かつ普通免許などの保有期間が通算1年以上で受験できます。
特例取得後には若年運転者期間の制度が適用されます。詳しくは警察庁の受験資格特例教習を確認してください。
第二種の視力基準は両眼0.8以上、左右それぞれ0.5以上で、深視力検査3回の平均誤差が2cm以下です。2025年9月1日には普通第二種の教習が最低40時限から29時限、最短6日から3日に見直されましたが、実際の日数と料金は教習所や予約状況で変わります。警察庁のカリキュラム見直しで変更点を確認できます。
普通第一種免許を取得する2つの方法
指定自動車教習所を卒業する方法と、指定教習所を卒業せず運転免許試験場で直接受験する方法があります。「早さ」や「安さ」だけで決めず、技能練習、再受験、予約にかかる時間まで含めて選んでください。
公安委員会指定の自動車教習所を卒業する
- 指定教習所で学科・技能教習を受ける
- 仮免許を取得し、路上教習へ進む
- 卒業検定に合格して卒業証明書を受け取る
- 住所地を管轄する運転免許試験場などで適性試験と学科試験を受ける
- 合格後に免許の交付を受ける
指定教習所を卒業すると、卒業した免許に対応する試験場での技能試験が免除されます。卒業証明書には有効期間があるため、卒業後の受験を先延ばしにしないことが大切です。手続きは警視庁の指定教習所卒業者向け案内で確認できます。
試験場で直接受験する(いわゆる一発試験)
- 普通仮免許の学科・技能試験に合格する
- 仮免許を取得する
- 過去3か月以内に5日以上、資格を満たす同乗者を付け、標識を表示して路上練習をする
- 本免許の学科・技能試験に合格する
- 普通車講習・応急救護処置講習などの取得時講習を受ける
- 免許の交付を受ける
同乗者は、練習車を運転できる免許を通算3年以上保有する人、または練習車を運転できる第二種免許を保有する人です。標識の様式や練習記録は警視庁の路上練習申告書で確認し、提出様式は住所地の都道府県警察に確認してください。
「一発試験」は、1回で合格できることを意味しません。指定教習所を卒業せず、試験場で技能試験まで受ける方法の通称です。再受験や練習車の確保も見込み、警視庁の直接受験手続きと住所地の警察公式ページを確認してください。
普通免許の取得費用
教習所へ支払う費用と、試験・免許交付にかかる行政手数料は別です。広告の表示額だけでなく、追加教習、再検定、写真、交通費、宿泊費まで含む総額で比較してください。
教習所費用は約29万〜37万円の公表例
総務省の小売物価統計調査における「自動車教習料」は、公安委員会指定教習所で第一種普通AT限定を取得する、免許なし・一般コースの入所から卒業までの総費用です。2026年7月の都道府県庁所在市47市の公表値は292,740円〜369,017円でした。
この範囲は全国一律の料金表ではありません。地域、時期、学生料金、安心パック、追加・延長教習、検定再受験、合宿の宿泊条件で実額が変わります。総務省統計局の小売物価統計調査を目安にしつつ、候補の教習所から総額見積りを取ってください。
行政手数料は都道府県と免許証の持ち方で変わる
警視庁の2026年9月確認例は次のとおりです。東京都の例であり、全国共通額ではありません。
| 受験経路 | 試験・交付にかかる手数料 |
|---|---|
| 指定教習所卒業 | 従来の免許証のみ4,250円/マイナ免許証のみ3,450円/2枚持ち4,350円 |
| 試験場で直接受験 | 従来の免許証のみ5,650円/マイナ免許証のみ4,850円/2枚持ち5,750円 |
直接受験では、普通車講習12,200円と応急救護処置講習5,550円が別にかかります。普通仮免許試験5,800円も含め、従来の免許証のみで各試験を一度ずつ通過した単純合計は29,200円です。
練習、写真、交通費、再受験などは含みません。最新額は警視庁の運転免許関係手数料または住所地の都道府県警察で確認してください。
必要書類と申請先
免許の申請先は、原則として住所地を管轄する都道府県の運転免許試験場などです。予約の要否、受付日、支払い方法は地域で異なります。
東京で指定教習所を卒業し、初めて普通免許を申請する場合の主な書類は次のとおりです。
- 本籍が記載され、個人番号が記載されていない住民票
- 本人確認書類
- 申請用写真(縦3.0cm×横2.4cm、6か月以内に撮影)
- 指定教習所の卒業証明書
- 予約内容を確認できるものなど、申請先が指定する書類
必要書類は、都道府県、現有免許、国籍、住民登録状況で変わります。2025年10月1日から外国籍の人の確認書類も変更されました。申請前に警視庁の指定教習所卒業者向け案内または住所地の都道府県警察公式ページで、自分の条件に合う一覧を確認してください。
学科試験と教材選び
普通第一種の本免学科試験は95問・50分で、90%以上が合格基準です。仮免学科試験は50問・30分で、同じく90%以上が必要です。大阪府警察の直接受験案内で試験内容を確認できます。
教材は、発行年と最新の道路交通法・出題形式への対応を確認して選びます。古い問題集を繰り返すだけでは、2025年以降の制度変更を取りこぼすおそれがあります。教習所の教材、都道府県警察の公開問題、最新版の問題集を組み合わせ、間違えた理由まで確認してください。
履歴書にはどう書く?
第一種普通免許なら「普通自動車第一種運転免許 取得」、普通第二種なら「普通自動車第二種運転免許 取得」と書くと区分が明確です。AT限定の場合は「普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得」のように条件を添えます。
取得年月と表記は、免許証や運転免許経歴証明書で確認してから記入してください。「普通免許」と略すより、正式な区分と条件を書くほうが採用担当者に運転可能範囲が伝わります。
取得後に確認する初心者マークとマイナ免許証
普通免許または準中型免許を初めて取得してから1年間は、原則として車体の前後に初心者マークを表示します。普通免許の取得後1年間は初心運転者期間でもあり、違反点数が一定基準に達すると初心運転者講習や再試験の対象になる場合があります。詳細は警視庁の初心運転者標識と初心運転者講習を確認してください。
2025年3月24日から、免許証の保有方法は「マイナ免許証のみ」「従来の免許証との2枚持ち」「従来の免許証のみ」の3通りです。新規取得時にも選べます。運転するときは、選んだ方法に応じて有効な免許証または免許情報が記録されたマイナンバーカードを携帯してください。
マイナンバーカードの券面には免許情報が表示されません。保有方法と普通・中型などの免許区分は別の話です。デジタル庁のマイナ免許証案内で利用方法を確認できます。
普通免許に関するよくある質問
普通免許の試験は何歳から受けられますか?
2026年4月1日から、普通免許と普通仮免許の試験は17歳6か月から受けられます。ただし、普通免許が交付されるのは18歳になってからです。
普通免許で125ccのバイクに乗れますか?
125cc以下というだけでは運転できません。普通免許で運転できる新基準原付は、総排気量50cc超125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された内燃機関の二輪車です。総排気量50cc超125cc以下で最高出力4.0kWを超える車両には、小型限定普通二輪免許など車両区分に対応する免許が必要です。
普通免許で2tトラックを運転できますか?
「2tトラック」という通称だけでは判断できません。現行普通免許は、車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満、乗車定員10人以下をすべて満たす車が対象です。最大積載量2tちょうどは範囲外です。
AT限定とMTはどちらを選べばよいですか?
乗用車中心でMT車を運転する予定がなければ、AT限定が選択肢になります。仕事や家族の車でMT車を使う可能性がある人はMTを検討してください。料金、日数、教習方式は教習所ごとに確認します。
指定教習所を卒業すれば本免技能試験は免除されますか?
公安委員会指定の自動車教習所を卒業し、有効な卒業証明書を提出すれば、卒業した免許に対応する試験場での技能試験は免除されます。適性試験と学科試験などは必要です。
一発試験なら1回で免許を取れますか?
1回で合格できるという意味ではありません。指定教習所を卒業せず、試験場で技能試験まで受ける方法の通称です。再受験、路上練習、取得時講習にかかる時間と費用も見込んでください。
外国籍でも普通免許を取得できますか?
受験資格を満たし、申請に必要な在留・住民登録関係の書類を提出できれば申請できます。必要書類は住民基本台帳の対象かどうかなどで変わるため、住所地の都道府県警察へ確認してください。
新規取得時にマイナ免許証だけを選べますか?
選べます。マイナ免許証のみ、従来の免許証との2枚持ち、従来の免許証のみの3通りから選択できます。手数料は保有方法と都道府県によって異なります。
初心者マークはいつまで必要ですか?
普通免許または準中型免許を初めて取得してから1年間は、原則として車体の前後に表示します。表示義務の例外に該当するか迷う場合は、都道府県警察の公式情報を確認してください。
まとめ
普通免許の正式名称は、第一種が「普通自動車免許」、第二種が「普通自動車第二種免許」です。普段の運転なら第一種、普通自動車で旅客を運ぶ業務や運転代行で顧客車を運転するなら普通第二種が基本になります。
取得年齢は2026年4月から「試験は17歳6か月、交付は18歳」に変わりました。乗れる車は車名ではなく、免許証の条件欄と車検証で判断します。費用と必要書類は地域・取得ルート・免許証の保有方法で変わるため、申込み前に教習所の総額見積りと住所地の都道府県警察の最新案内を確認してください。


